IT契約書:契約の締結拒否

 契約書の締結を拒否された場合何かとる手段はないのでしょうか?

 

1.契約前に開発を進めてしまった。

 

 開発を進める場合に、契約書がないにもかかわらず、スケジュール等の関係や、既にSEをアサインしてしまい、そのSEを遊ばせておけない等々の理由により、開発を始めてしまうこともよくあると思われます。

 

2.正式にGOサインが出ず、中止になった。

 

(1)ベンダは泣き寝入りか?

 その後契約の締結がされなかった場合どうなるのでしょうか? 口約束での契約が認められることはかなり難しいです。それでは、ベンダは泣き寝入り?するしかないのでしょうか。

 いいえ、そうとは限りません。ユーザ側が契約をする前提で話を進めており、相手方にこれはほぼ受注できる等の期待をもたせ、その期待によってベンダが行動した場合…。
 もっと具体的な例で言うと、「今契約書を回しているが、スケジュール的にきついので早くやってもらえるといいな」というようなことをユーザが言ったケースを考えます。この後、結局契約が結ばれなかった場合、契約が成立していませんから、契約により代金を請求することはできません。しかし、ユーザの言動や態度がベンダがの支出のきっかけになっています。

 

(2)ベンダを救う理論

 こんな時は、契約締結に期待を持たせた方に、損害賠償の支払義務が発生する可能性があります。難しい言葉で言うと、「契約締結上の過失」という理論で、ベンダが一部保護されます。だまし討ちにするのはずるいという感覚ですね。
 ですが、あくまで契約が成立したわけではないので、契約代金がそのまま支払われるわけなく、賠償額が低くなってしまうのは避けられません。

 

3.注意点(ユーザ、ベンダ共々)

 

(1)ユーザの注意点

 このことから考えると、ユーザは、ベンダに誤った期待を持たせないように注意する必要があるということです。内部で、当該ベンダに開発を依頼することが本決まりにならない場合は、まだ本決まりではなく、今始められても支払えないと伝えておいた方がよいでしょう。漫然と、ベンダが開発を開始するのに任せていた場合でも、上記理論によって、支払義務が発生する場合がありますので十分注意して下さい。

 

(2)ベンダの注意点

 一方、ベンダは、契約書の無い段階で作業に入ることが危険であることを肝に銘じておきましょう。自社の判断で開発を進める場合、最悪、支出した額が回収できない可能性があるのです。

 

4.当事務所では

 

 当事務所ではITに精通した弁護士が契約書を作成致します。

 

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