IT契約書:偽装請負

偽装請負とはなにか、説明していきましょう。

 

1.偽装請負の請負には準委任も含む

わかりづらいですが、この偽装請負の請負には準委任契約も含みます。

  請負 and 準委任  vs  派遣

の違いです。

 

 まず、請負契約と準委任契約の違いは、仕事の完成を目的とするかどうかです。

 システム開発の契約書の場合で言えば、ユーザの仕様書の作成をお手伝いする契約であれば、準委任契約であり、システム開発の完成を目的とする契約は準委任契約です。

 

 偽装請負は、偽装された契約が請負なのか、準委任契約なのかは問いません。つまり、仕事の完成を目的としているかどうかで判断されるのでは無いと言うことです。実際は労働者の派遣契約なのに、請負契約や準委任契約にみせている、つまり偽装しているかが問題となります。

 

2.判断ポイント:偽装請負かは契約書ではなく、実質的に判断される。

(1)判断ポイント

 そして、偽装請負かどうかの判断は、契約書がどうなっているかということではなく、実質的に労働者の派遣となっていないかというで判断されます。その判断ポイントはずばり、指揮命令系統です。

 労働者の派遣契約は、労働者の地位を不安定にするため様々な規制があり、また、労働者派遣事業の許可(平成30年9月29日に許可制に一本化)がなければ派遣することはできません。

 

(2)具体例

あるプロジェクトでベンダがユーザ企業に常駐している場合を考えます。

 

 要件定義書の作成を支援するになって、準委任契約が結ばれたとします。もしくは、システム開発を目的として請負契約が結ばれたとします。そして、ユーザ企業の一角を借りて作業をすることは、みなさんご存じの通り、通常行われていることでしょう。

 

 〇 ユーザから作業等について、ベンダのリーダーに指示があり、更にそのリーダーの指示の元にベンダのメンバーが作業をしたのであれば、結果の完成を契約する請負契約であろうが、なんらかの作業を目的とする準委任契約であろうが、労働者派遣には当たりません。

 

 × 一方、ユーザの担当者から、それぞれのメンバーに指示があり、あたかも自社の労働者のように使っている場合は、労働者派遣となり、派遣契約を本来は結ばなければなりません。それなのに、準委任契約や請負契約を結んでいる場合、偽装請負となってしまいます。

 

 

 準委任契約でも請負契約であっても、実際の指揮命令系統のルートが重要になります。

 

(3)対策

 偽装請負状態の場合、契約に実態を合わせるか、契約を実態に合わせて派遣契約とするか、の対策が必要となります。

 

ア 契約に実態を合わせる

 労働者派遣事業には許可が必要ですし、手続も面倒です。派遣契約を避けるのであれば、指揮命令系統を整理する必要があります。受注者のメンバーを常駐させる場合、同じ事業所には2人以上常駐させ、その1人のリーダーとして、発注者は受注者のリーダーに作業などを依頼して、責任者から受注側の各メンバーに指揮するというように指揮命令系統を統一させる必要があります。

 

イ 実態に契約を合わせる

 現場に受注者側のメンバーが1人しかいない場合、受注者側のメンバーに直接指示を出したい場合などは、労働者として扱っているので、派遣契約に切り替える必要があります。

ただ、常駐しているメンバーが受注者側の直接の雇用している労働者であれば良いですが、更に受注者側から更委託している孫請けの人間だったりする場合、今度は二重派遣の問題が出てきてこれまた違法になってしまいます。

 

当事務所では、偽装請負にならないように法的なサポートを行い、解決策を探していきます。

 

費用は、スポットか顧問契約かで異なります。

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